玉ねぎじゃがいも水なす
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にんじんキャベツトマト
だいこん
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玉ねぎ
 玉ねぎは独特の辛さと刺激で、料理のうまみを引き立てる万能の野菜です。この刺激の成分は硫化アリルで、米食中心な日本人に不足しがちのビタミンB1を吸収しやすくする働きがあります。また、血液をサラサラにする効果や、排尿・発汗作用も注目されています。
 日本の玉ねぎには、泉州玉葱と北海道玉葱の2つのルーツがあります。明治初期に、神戸の居留アメリカ人が自らの食料として保管していた物を貰い受けた坂口平三郎氏(現在の農業普及委員)が泉州に持ち帰り試作し、この採種に成功して栽培が始まったのが泉州産玉葱(春穫り)。一方、かの有名なW.S.クラーク博士に同行したW.P.ブルックス博士が、アメリカから持ち込んだ種子を用いて、札幌農学校で栽培指導し普及したのが北海道玉葱(秋穫り)です。泉州玉葱は神戸・大阪の西洋料理店を中心に販路が開拓され、明治30年頃には輸出も開始されるようになりました。北海道産玉葱も徐々に作付けが増え、現在では日本の生産量の約2分の1を占めています。日本の玉ねぎ発祥にまつわる石碑が、泉州に1つ、北海道に1つと2ヶ所あるのも珍しい話です。

●おいしい玉ねぎの選び方・保存方法
 芽や根が伸びていたり、黒ずんで傷んでいるところがないかよく確かめましょう。皮がパリっと乾いて色つやがよく、かたくしまっているものが良質です。
 保存は、風通しの良いところにつるすか、乾いたところに置いておくのがよいです。ただし、新玉ねぎは水分が多く傷みやすいので気をつけましょう。

じゃがいも
 じゃがいもは、またの名を馬鈴薯(ばれいしょ)と言います。原産地は南米のアンデス高原です。日本には、戦国時代にオランダ人によってジャワ島を経由し長崎に持ち込まれ、明治になって北海道で本格的な栽培が始まりました。主産地は北海道と長崎で、北海道は秋収穫、長崎は春・秋収穫の二毛作です。現在約20種類の品種があり、主な品種に男爵、メークイン、キタアカリ、ニシユタカなどがあります。和洋問わず大活躍のじゃがいもですが、サラダには男爵が、煮物にはメークインが好まれます。調理法によって種類を使い分けるのがポイントです。また、花が美しいことでも有名で、フランスでは、あのマリー・アントワネットがじゃがいもの花を頭に飾って夜会に出席し、貴族たちの目を見張らせたという逸話も残っています。

●おいしいじゃがいもの選び方・保存方法
 凹凸が少なく、シワのないもの、芽が出ていないものを選びます。緑がかったものは苦みが強いので、避けるようにしましょう。また、大きすぎると真ん中に空洞がある場合があるので、ほどよい大きさのものを選ぶのがよいでしょう。
 保存には、風通しの良い涼しい場所(15〜22°C が適温)が適しています。また、日光や室内光に当てると、有毒物質であるメラニンの生成や芽が出る原因となりますので気をつけましょう。

水なす
 水なすは、一般に販売されている中長なす「千両なす」に比べ葉が大きく、葉姿は開張性。実も比較的薄い色をしていて、丸みを帯びています。ただし、自家採種をしているため、色の濃いものから薄いもの、また長丸形のものから巾着形のものまでバラエティーに富んでいます。
 水なすは皮が非常に柔らかく、水分を多量に含んでいます。あくが少なく独特の甘みを持つため、生食が可能です。また、軽く塩もみし糠漬にすると翌朝には鮮やかな紫色に仕上がり、その味は絶品です。現在では、泉州の特産品として全国的に人気があります。

●水なすの浅漬けレシピ
■糠(ぬか)床のつくり方
糠1Kg(約2升)を湯冷まし1l で軟らかくねって、塩250g(約1.5カップ)と混ぜる。さびた古釘5〜6本を、布で包み糸で片結びしたものを、中に2〜3個入れておく。昆布を少々、唐辛子3本刻んで入れるとより風味が増します。
■漬け方
1. 水なすに塩をすりつける。(水なす3個に対し小さじ1程度)
2. よくまぜた糠床に(1)を入れ、糠から出ないように注意し漬ける。
※夕方漬けて翌朝出すと丁度よい浅漬けに仕上がります。(約12時間)
※包丁で切るよりも、手で大きく縦にさいて食べるのがよいとされています。

●おいしい水なすの選び方
 表面に光沢と張りがあり、へたと葉脈に鋭いトゲが多いものを選びましょう。また、皮が薄く傷がつきやすいので、傷の状態によって等級がつけられています。

にんにく
 原産地は中央アジアと言われていますが、紀元前3200年頃には、既に古代エジプトでも栽培・利用されていました。我が国でも、1000年以上も前から薬用として栽培されています。主な産地は青森で、輸入の主力は中国です。青森の「ホワイト6片」は品質良好ですが、近年中国産も品質が向上してきており、数量は国産を上回っています。フランス料理や中国料理などでは、味を引き立てるのに欠かせない重要な香辛料として利用されています。日本でも、肉料理の臭み消しや、健康食としての家庭消費が増えてきています。近頃では、消臭された「黒にんにく」や「黒酢にんにく」も人気があります。

●おいしいにんにくの選び方・保存方法
 色が白くよくしまったものがよい。
 ネットに入れて、風通しのよい所で常温保存するのが最適です。冷蔵庫に入れると、芽が出やすいので避けましょう。新にんにくは、水気が多く傷みやすいので、早めに使い切るようにしましょう。

ながいも
 約650種もあると言われているヤマイモの一種で、日本で最もポピュラーなヤマイモです。原産地は中国南部の雲南地方で、我が国には中国・朝鮮半島を経て伝播しました。その歴史は米よりも古く、縄文後期から栽培されています。ながいもの主産地は青森・北海道ですが、三重や奈良では伊勢芋、兵庫県北部では丹波芋として栽培されております。
 利用範囲が広く、とろろ汁、もんじゃ焼き、酢のもの、そば、揚げ物のつなぎなどの和風料理から、和菓子、更には洋風のワイン煮、中華風のあめがらめ等、利用範囲が多岐にわたっています。

●おいしいながいもの選び方・保存方法
 表面に傷がなく、小さな根やヒゲの少ないものがよい。
 乾燥しないよう新聞紙で包み、涼しいところ(適温は7°C 前後)に保存しておきます。

かぼちゃ
 原産地はアメリカ大陸で、日本には戦国時代にポルトガル船によって持ち込まれました。その際、カンボジア産の瓜として紹介されたことから、「南瓜」「かぼちゃ」の名前がついたと言われています。現在日本では、日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類が栽培されています。日本かぼちゃは、日本の気候風土に適し、渡来後急速に広まりました。粘質でねっとりとしていて、醤油との相性が良く、日本料理に向いています。40〜50年前までは流通の主流でしたが、食生活の洋風化とともに、西洋かぼちゃが主流となりました。西洋かぼちゃは、幕末の頃にアメリカより渡来したもので、甘味が強く、ほくほくとした味が好まれています。明治以降導入されたペポかぼちゃは淡白な味で、そうめんかぼちゃ、ズッキーニ、スキャロープなど形がユニークなのが特徴です。ズッキーニは、一見きゅうりに似ていますが、ペポかぼちゃの仲間なのです。北海道から沖縄まで全国的に栽培されていますが、メキシコ・ニュージーランドなどからも輸入されています。

●おいしいかぼちゃの選び方・保存方法
 皮がかたくしまっていて、重量感があるものがよい。
 丸ごとなら、風通しの良い涼しい場所で保存するのが望ましい(15〜22°C が適温。10°C 以下になると、低温障害で傷みやすくなるので注意しましょう)。切ったものなら、種とわたの部分を取り除き、ラップで包んで冷蔵庫へ。一口大に切って八分ゆでにしてから冷凍保存してもよいでしょう。

にんじん
 にんじんの原産地はアフガニスタンで、緑黄色野菜の代表的存在です。たくさんの栄養素を含んでいることで知られていますが、中でも、ガンに効くと最近注目を集めているカロチンが、豊富に含まれています。我が国には、17世紀頃中国から「金時にんじん」などの東洋系にんじんが渡来しました。戦後、日本の食卓の洋風化に伴い、東洋系に代わり、欧米から導入された「カロチンにんじん」などの西洋系がポピュラーになりました。西洋系は、東洋系に比べずんぐりした形をしています。近年では、にんじん特有のにおいの少ない品種の開発も進められ、健康志向とあいまって人気野菜のひとつとなっています。栽培の主力は北海道ですが、全国的にも栽培されています。

●おいしいにんじんの選び方・保存方法
 葉を落とした芯の部分が小さく締まり、色が濃いものがよい。首の周りが割れていたり、青っぽく変色しているものは避けるようにしましょう。
 葉つきにものは葉を切り離し、先端のひげ根の部分も切り落としておく。保存袋に入れて冷蔵庫で保存すると、長く保存が可能です。

キャベツ
 原産地はヨーロッパの地中海沿岸で、栽培の歴史は古く、紀元前600年頃と言われています。日本では、江戸時代末期にオランダから渡来しましたが、当時は「甘藍(かんらん)」と呼ばれ、もっぱら観賞用とされていたそうです。戦後急速に消費が伸び、現在では食卓に欠かせない野菜となりました。四季を通じて多くの品種が全国で栽培されており、日本の生産量は150万tに達し、一人あたり年間10kgが消費されています。春系キャベツは、内部まで黄緑色を帯び、みずみずしく食味は最高。冬系(寒玉)キャベツは、加熱してもくずれず、甘みが増し、風味が良好です。お好み焼きには、泉州の寒玉「松波」が最適です。

●おいしいキャベツの選び方・保存方法
 葉がつまっているものを選び、隙間が多いものは避けるようにしましょう。春キャベツは、巻きがふっくらしているものがよい。
 保存は、新聞紙で包んで冷暗所(3〜7°C が適温)におくか、保存袋に入れて冷蔵庫で保存するのがよいです。

トマト
 南米のアンデス山脈が原産地と言われていますが、その中でも、ペルー説やメキシコ説などがあります。日本には1708年に伝来したと言われており、当初は「赤なす」と呼ばれ、観賞用とされていました。明治にかけて食用としての栽培が始まりますが、独特の青臭さや血のような赤い色が敬遠され、本格的に普及するのは戦後のことです。品種改良が繰り返され、また、トマトケチャップやトマトジュースなどの加工品も多く出回るようになり、今では見かけない日はないほど人気の野菜となっています。うまみ成分であるグルタミン酸が多く含まれており、サラダなどの生食はもちろんのこと、煮込み料理などに使うとおいしさが引き立ちます。ヨーロッパでは、「トマトのあるところに料理の下手な人はいない」という諺があるほどです。また、ビタミンC・Aの豊富な健康野菜としても注目されています。

●おいしいトマトの選び方・保存方法
 へタがきれいな緑色でピンとしているものが良質とされています。また、お尻の部分にうっすらと白い筋が浮かんでいるものは、糖度が高くおいしい。
 保存袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。5°C くらいが適温で、日持ちは比較的長いです。

だいこん
 だいこんは、最古の野菜であり、我が国でも有史以前から栽培されていたと言われています。植物学的にいくつかの変種に分かれており、変わりものの多いことでは、だいこんの右に出る品目はないでしょう。例えば、一般的にだいこんの色は白と思いがちですが、他にも黒・赤・緑と多種多様です。だいこんは、白首で規格・品質が統一された漬物用と、青首で小型、肉質が良く食味と栄養価の高い、多様な需要に対応できるものに二分化されています。かつては漬物用が主流を占めていましたが、近年では家庭用として生食・煮食用が増え、現在市場に出回る種類のほとんどは、食味のよい青首だいこんです。だいこん料理には色々ありますが、生食ではだいこんおろし、なます、サラダなど、煮物ではおでん、あら煮、鍋物やみそ汁など用途は様々です。葉に近い部分はおろしやサラダ、酢の物に。真ん中部分は煮物や炒め物に。先端は辛みが強いので、汁ものの具材や漬物などに向きます。料理によって使用する部分を使い分けるのがポイントです。また、だいこんは捨てるところがないと言われるほどで、葉の部分は漬物や混ぜご飯に。剥いたあとの皮は、きんぴらにすると絶品です。

●おいしいだいこんの選び方・保存方法
 葉も根もまっすぐ縦一直線に伸び、素直に太った感じがするものがよい。す入りが最大のくせ者。すが入るのは、根の太り過ぎが原因で、葉から送られる同化養分不足になるためとされている。葉の根元を折ってすがあれば要注意。葉の付け根が黒ずんでいたり、ひび割れのあるもの、大きさの割に軽いものや、根に傷や凹凸があるものは避けましょう。  保存は、保存袋に入れ冷蔵庫で保存します。葉付きのものはすぐに葉の部分を落としましょう。すが入る原因となります。  

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