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【440号】

令和6年6月27日

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社 内 報

 5月の天候は、気温は、北・東日本と沖縄・奄美で高かった。降水量は、東・西日本の太平洋側でかなり多かった。日照時間は、北日本の太平洋側と西日本の日本海側で多かった。北海道では、暖かい空気に覆われた日が多かったが、度々寒気が流入して気温の変動が大きかった。6月は全国的に梅雨入りが例年比2週間程度遅れたが、梅雨入りと共に大雨に見舞われた地区もあった。気象庁の7〜9月の3か月予報では、この期間の平均気温は、北日本で高い確率50%、東・西日本で高い確率60%、沖縄・奄美で高い確率70%。降水量は、西日本で平年並みまたは多い確率ともに40%。

月別予報は次の通り。

7月、北日本と東日本の日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。東日本の太平洋側と西日本では、期間の前半は、平年と同様に曇りや雨の日が多い。期間の後半は、平年と同様に晴れの日が多い。沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い。

8月、北日本では、天気は数日の周期出変わる。東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い。

9月、北・東日本と西日本の日本海側では、天気は数日の周期で変わる。西日本の太平洋側と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い。

 

野菜の市場概況

建値市場の5月の野菜の販売量は、200,977トン前年比91%(前月比99%)。平均単価はkg¥298前年比121%(前月比100%)。市場別には多少の差はあるが、総じては前年比で数量減の単価高であった。市場別の販売量の前年比と平均単価及び前年比は、札幌市場の販売量は前年比92%、平均単価はs¥282前年比116%。東京市場の販売量は前年比90.%、平均単価はKg¥312前年比121%。名古屋市場の販売量は前年比91%、平均単価はs294前年比123%。大阪本場の販売量は前年比92%、平均単価はs¥303前年比122%。福岡市場の販売量は前年比99%、平均単価はs¥229前年比124%となっている。

建値(拠点)市場の5月の玉葱の販売量は22,679トンで前年比87%(前月比81%)、平均単価はkg¥119前年比124%(前月比92%)となっている。今年は、暖冬の影響で府県の極早生産地では、生育の前進化で切り上がりが早く、後続の早生、中晩生の作柄が今ひとつとなったため、5月の出回り量は前年を大きく下回った。

5月の拠点市場別の玉葱販売量と単価は、札幌市場の販売量は2,356トン前年比83%、平均単価はkg¥120前年比111%。東京市場の販売量は10,304トン前年比85%、平均単価はkg¥123前年比123%。名古屋市場の販売量は4,245トン前年比84%、平均単価はkg¥113前年比127%。大阪本場の販売量は3,377トン前年比90%、平均単価はkg¥122前年比140%。福岡市場の販売量は2,397トン前年比112%、平均単価はkg¥111前年比125%となっている。

東京都中央卸売市場5月の野菜の入荷量は111,515トン前年比90%、前月比(101%)。旬別の前年比は、上旬14%減、中旬20%減、下旬5%増、となっている。平均価格はkg¥312前年比121%(前月比97%)。旬別では、上旬¥313(前年比113%)、中旬¥316(同124%)、下旬¥309(同125%)となっている。

主要15品目で入荷量が前年比増の品目は、ナマシイタケが前年比108%、レタスが103%、ネギが101%など3品目。前年比減の品目は、バレイショが前年比75%、サトイモが76%、キャベツ・ニンジンが86%、など12品目。価格は前年比全面高傾向で、特に高い品目は、キャベツがkg¥170で前年比202%、ダイコンがkg¥138で152%、バレイショがkg¥236で149%、など3品目。前年比安の品目は,ナマシイタケがkg¥1,017で前年比98%のみで、ネギがkg¥415で100%弱の2品目となっている。

東京都中央卸売市場の5月の入荷量と単価

品   目

入荷量

前年比

前月比

単価

前年比

前月比

 

( t )

( % )

( % )

( \/kg )

( % )

( % )

野 菜 総 数

111,515

89.9

101.2

312

120.5

97.2

た ま ね ぎ

10,304

84.8

95.2

123

123.0

86.8

キ ャ ベ ツ

14,698

86.1

91.1

170

201.5

115.7

は く さ い

6,271

99.3

118.0

102

120.0

90.3

だ い こ ん

7,289

88.5

90.8

138

151.5

103.8

に ん じ ん

6,822

86.4

107.3

219

135.8

80.2

  ば れ い しょ

7,191

74.7

91.9

238

149.2

133.0

レ  タ  ス

7,406

103.1

109.3

172

109.7

62.6

ね    ぎ

3,645

101.1

104.1

415

99.5

118.9

ト  マ  ト

6,815

86.9

112.6

388

118.2

89.6

き ゅ う り

7,411

92.4

121.1

307

129.5

80.0

か ぼ ち ゃ

1,758

156.6

87.8

237

46.3

124.7

な が い も

716

111.1

94.8

380

88.5

50.3

れ ん こ ん

314

71.4

62.7

687

127.9

111.2

に ん に く

215

83.4

117.5

1,108

136.1

93.3

 

玉葱の概況 

需要(市場)の動き

東京市場

東京都中央卸売市場の5月の玉葱の入荷販売量は10,304トン前年比85%(前月比95%)。主力は佐賀物で6,044トン前年比90%、占有率59%前年比4ポイントアップ。北海物が1,512トン前年比55%、占有率15%前年比8ポイントダウン。兵庫物が899トン前年比69%、占有率9%前年比2ポイントダウン。千葉物が483トン前年比150%、占有率5%前年比2ポイントアップ。香川物が315トン前年比127%、占有率3%前年比1ポイントアップ。総平均価格はkg¥123前年比123%(前月比87%)。産地別では、佐賀物はkg¥119前年比131%(前月比73%)。北海物はkg¥141前年比109%(前月比114%)。兵庫物はkg¥142前年比151%(前月比99%)。千葉物はkg¥よ99前年比118%。香川物はkg¥128前年比142%。となっている。

6月に入り、市場内の動きは落ち着いているが、周辺市場への転送需要が活発で品薄高傾向となった。入荷は主産地の佐賀物の入荷が増えず、兵庫物は指値が高いものの、入荷は思う様にならず、栃木物は中生に切り替わったが、ベト病多発で品質に問題あり、愛知物も少量の入荷に留まっている。当面は品薄高が続きそうだ。

6月1日から20日までの玉葱販売量は、5,259トン前年比75%(前月比78%)、平均単価はkg¥154前年比165%(前月比125%)。産地別の入荷量は兵庫物は前年比増となっているが、その他の産地は主産地の佐賀を始め軒並みに大幅減となっている。産地別の販売量と単価は、佐賀物は1,891トンの入荷で前年比57%、平均単価はkg¥143前年比158%。兵庫物は1,434トン前年比111%、平均単価はkg¥183前年比181%。香川物は574トン前年比96%、平均単価はkg¥163前年比178%。栃木物は208トン前年比72%、平均単価はkg¥139前年比194%。北海物は158トン前年比24%、平均単価はkg¥153前年比130%。となっている。

名古屋市場

名古屋市中央卸売市場の5月の玉葱販売量は4,245トン前年比84%

(前月比66%)で前年比、前月比とも減となっている。主力は愛知物で数量は2,166トン前年比88%、占有率は51%で前年比3ポイントアップ。北海物は1,403トン前年比63%、占有率33%前年比10ポイントダウン。兵庫物は418トン前年比165%、占有率10%、前年比5ポイントアップ。ニュージランド物は118トン前年比266%。総平均単価はkg¥113前年比127%(前月比100%)。産地別の平均単価は、愛知物はkg¥111前年比134%。北海物は¥99前年比113%。兵庫物はkg¥131前年比141%。となっている。

6月になり、入荷は減少傾向で増加の見込みはなく、集荷に苦労している。愛知ものは中生種に移行し、L中心の球流れとなったが入荷量は少ない。此の先兵庫物に頼らざるを得ないが、思う様な数量は期待出来ず集荷に苦労が続く予想。

大阪本場

大阪市中央卸売市場本場の5月の玉葱の販売量は3,377トン前年比90%(前月比80%)、前年比、前月比とも大幅減となっている。産地別の販売量は、兵庫物が1,869トン前年比99%(前月比344%)、占有率55%前年比5ポイントアっプ。佐賀が914トン前年比95%(前月比135%)、占有率27%前年比2ポイントアップ。愛媛物が252トンで前年比486%、占有率7%前年比6ポイントアップ。大阪物が145トン前年比72%(前月比71%)、占有率4%前年比1ポイントダウン。北海物が101トン前年比16%(前月比4%)、占有率3%前年比13ポイントダウン。総平均単価はkg¥122前年比140%(前月比94%)で、前年比高、前月比安となっている。産地別の平均単価は、兵庫物はkg¥126前年比151%。佐賀物はkg¥124前年比138%、愛媛物はkg¥81前年比121%。大阪物はkg¥108前年比161%。北海物はkg¥137前年比137%となっている。

 6月に入って,兵庫物主力の入荷となったが、産地の価格要請が強く、産地の強気に追随して相場を上げるも、入荷は思う様に増えず品不足の状態が続いた。佐賀物も兵庫と同じで産地が強気で、先高期待で出荷は先送り状態で入荷増は期待出来ず、品質に難があるものの割安の愛媛物の引き合いが強まった。

6月1日〜20日までの玉葱の販売量は2,229トントン前年比77%(前月比(110%)。平均単価はkg¥119前年比93%(前月比132%)。産地別の販売量と平均単価は,兵庫物は1,590トン前年比104%、平均単価はkg¥165前年比173%。佐賀物は311トン前年比55%、平均単価はkg¥146前年比159%。愛媛物は138トン前年比269%、平均単価Kg\114前年比178%。大阪物は104トン前年比93%、平均単価はkg¥143前年比201%。となっている。

福岡市場 

福岡市中央卸売市場の5月の玉葱販売量は、2,397トン前年比112%(前月比103%)で、前年比、前月比とも10%増となっている。主力は佐賀物で、販売量は1,748トン前年比145%、占有率73%前年比17ポイントアップ。北海物が356トン前年比62%、占有率15%前年比12ポイントダウン。長崎物が103トン前年比51%、占有率4%で前年比5ポイントダウン。中國物は100トン前年比127%となっている。総平均単価はkg¥111前年比125%(前月比83%)となっている。産地別の平均単価は佐賀物が

kg¥107前年比132%。北海物がkg¥130前年比126%。長崎物がkg¥111前年比137%。中國物がkg¥113前年比98%となっている。

6月に入り、主産地の佐賀物の入荷は、減少傾向になり産地に出荷要請をするも、在庫不足で入荷増は期待出来ず、品不足状態が続いた。卸では、相場を上げながら受注を調整したが、出荷最盛期の昨今、この様な状態では先行きどうなるのか不安が募る。

6月1日〜20日の玉葱の販売量は1,326トン前年比87%(前月比86%)で前年比、前月比とも2桁減となっている。平均単価はkg¥132前年比157%(前月比120%)で前年比前月比とも2桁高となっている。

 

6月25日(火)の建値市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】  販売量99 トン  強い

 20kgDBL大¥3,5003,000

  20kgDB2L¥               L¥4,3003,700、 M¥4,0003,500

 

【太田市場 】  販売量137 トン  保合

 20kgDB2L¥3,4003,300、 L¥3,700 3,600、 M¥3,3003,200  20kgDB2L¥3,500          L¥4,000         M¥3,500

 20kgNT2L¥3,200          L¥3,500         M¥3,000

【名古屋北部市場】 販売量115 トン  強保合

 20kgDB2L¥2,700 2,500、 L¥3,200 3,000、M¥2,800 2,600

 20kgDB2L¥3,500 3,300  L¥4,0003,800、 M¥3,500 3,300

【大阪本場】  販売量123 トン  保合

 庫10kgDB2L¥1,700 1,600、 L¥1,800 1,600、 M¥1,700 1,500

 20kgDB2L¥3,2003,000  L¥3,6003,400、 M¥3,500 3,300

 媛10kgDB2L¥1,100            L¥1,200       M¥      

【福岡市場】    販売量103 トン  弱い

 賀10kgDB2L¥2,000 1,700、 L¥2,000 1,800、 M¥1,800 1,600

 20kgDB2L¥4,000 3,500  L¥4,2003,500、 M¥4,000 3,500

 

供給(産地)の動き

6月に入り、市況は日々上昇傾向となったことで、主力産地では先高期待感が台頭し、出荷は先送り傾向が強まり、産地相場も日を追って上昇した。今年は全国的に梅雨入りが遅れ、兵庫を始め中小の滋賀・福井などの産地も中晩生の収穫は好天気の中で終了し、品質は意外に良好だった。一方、防除が今ひとつであった佐賀を始め、栃木・新潟等の中小産地の作柄は病害が進行し、作柄は今ひとつであった。6月の出回り量は5月をかなり下回ったが、7月も増加の可能性は低い。

府県産地

佐賀、収穫は順調に終了したが、他産地と異なり病害によるロス率が高く中晩生・晩生の作柄は不作である。産地の在庫は少なく先高期待感が強まっている。既に、除湿乾燥処理をした物の出荷が開始されているが、JAの入庫量は前年の73%で出荷計画量は2,500トンと言われている。商系のなかには前年比130%を確保した商社もあるが、全体的には少なく、短期貯蔵(囲い、吊り玉)のストック全体は前年比70%前後と予想されている。除湿乾燥物はレギュラー品の¥200高の販売を要請している。現在の産地相場は20kg裸値L¥2,200、M¥2,000となっている。

兵庫、中晩生・晩生の収穫は梅雨入り遅れの天候に恵まれ、6月中旬に順調に終了した。好天に恵まれて、病害が少なく品質は良好である。6月の後半市況は続伸し、出荷は前進化している。現在の産地相場は現地切り落とし20kg¥2,500の高値となり、囲いも吊り玉もこれ以上の手取りは望めないと見て、出荷の前倒しが進んでいる。JAも個人選果を受け付けていることで、集荷量が増えている。現在の選果歩留りは極めて良好でロス率が少ない。昨今では、先高期待で短期貯蔵の冷蔵入庫も始まっているが、更なる市況高が見込めるか疑問である。

北海道産地

6月20日時点のホクレンの玉葱生育情報では、作業・生育状態は総体的に平年なみと報告されている。平均気温・日照時間は平年を上回り、降水量は平年を下回った。一部の地区では、干ばつにより雨待ちとなっているが、全道的には順調な生育状態となっている。と報告されている。

輸入の動き

5月の輸入は速報値で、22,279トン前年比116%。国内産の4〜5月の府県産の作柄が伸び悩み、需給バラランスがタイトになったことで、輸入物の関心が深まった。4〜5月の国内市況が堅調で、輸入物に割安感傾向が生じたこともあり、5月の輸入は予想を上回った。国別では、中國が20,923トン前年比116%、ニュージランドが705トン前年比97%。オ−ストラリヤ626トン前年比171%。となっている。

中國、現在の産地は山東省で、天候不順で生産減と言われている。現在の日本向け価格は、剥き玉20kg、C&F・$6.00。浜渡し原価 ¥1,475、皮付き$5.5であるが、産地は値上がり傾向にある。

ニュージランド、日本向けの価格は、7〜8p、C&F・¥1,475、此の先夏場に向けたリーファ積となれば¥200高の¥1,675となる。

 

7月の市況見通し

7月の府県産地の供給量は、前年比20〜25%減と予想される。現在市況は既に近年にない高値水準にあり、需要面で高値疲れが出て荷動きに鈍化傾向が見受けられるが、市場関係者のなかには、7月も品薄感の取り引が続き、20kg・L・高値¥5,000も視野にとの見方もあるが、通常梅雨が明けると酷暑が続き需要の減少傾向が続く。需給バランスからは値下り材料は見当たらないが、日々の市況は天候や入荷量に依り小動きはあるものの、大勢は現状の保合相場が続くと見ている。 笹野敏和記)


 
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